【144話】 身近な薬膳(梅雨時の養生薬膳)

 
高温多湿な日本にあって、特に梅雨時は過しにくく、体調の管理が難しい季節です。

 五行から見ますと梅雨は「土」に当たる季節です。「土」は自然の長を推し進める時期ですが、身体の変化として消化器系である脾胃が活発に動き始める時期でもあります。蒸し暑い日が続きますので、冷たいもの、なま物、水分を多く摂るため脾胃の疲れが現れやすくなります。特に、脾は湿を嫌うため、脾の働きが弱ると水液の代謝が低下し、「湿邪」に侵されやすい季節です。

 梅雨の外因邪気(湿邪)の特徴と症状とその養は、
 1.湿邪は陰邪で陽気を痛め、気の流れを阻害するため、冷え、めまい、胸のつかえ、腹部脹満、食欲不振が起こります。風通しを良くし、気持ちをおおらかにし、楽しむことを心がけることが大切です。        
 2.体が重たい感覚や排泄物、分泌物の透明性がなくなります。頭重感、身体の重い感じ、浮腫、下痢、おりもの、分泌物の出る皮膚炎、尿濁などの症状があらわれます。
 3.分泌物は濃厚で粘り気があり症状が長引きます。痰に粘り気があり、下痢、発汗、皮膚の湿潤、関節痛、筋肉痛、皮膚病の長期化、慢性化が起こります。じとじとした汗でなく、さわやかな汗をかくことが大切です。
 4.下半身に症状が多発します。湿は水の流れのように低い所に向かうため、湿邪の侵入により、下痢、足の浮腫、小便不利、水虫等が発症します。
 体内にある余分な水は、汗を出すこと、おしっこに出すこと、そして呼気から出すことで解消します。そのためには、積極的に身体を動かすこと、おしっこを我慢しないこと、楽しいおしゃべりをすることが大切になります。

 そのための薬膳として、
 1.辛味があり、温性の性質を持つ生姜、葱、紫蘇、香菜、茗荷、三葉などの食材により、湿を発汗により排出させます。
 2.温性の性質を持ち、香りがある、さくらんぼ、うどなど食材や藿香(カワミドリの全草)、佩蘭(フジバカマの全草)、砂仁(シュクシャの種子)、草豆蔲(ソウズクの種子)などの食薬により湿を乾燥させます。
 3.苦味、涼性の性質を持つセロリ、セリ、きゅうり、緑豆、金針菜、しじみ、はまぐり、茶などの食材により熱を取り、湿を排泄します。
 4.利尿作用のある、はと麦、冬瓜、金針菜、小豆、黒豆、大豆、そら豆、鯉、鮒、はも、しらうお等の食材や南蛮毛(トウモロコシの毛)、茯苓(マツホドの菌核)、車前子(オオバコの種子)、冬瓜皮(トウガンの皮)等の食薬により湿の排せつを促進します。
 5.脾胃の働きを強くするため、こめ、とうもろこし、長芋、ジャガイモ、南瓜、いんげん、キャベツ、豆類、干し椎茸、鶏、牛肉、たら、イワシ、かつお、いしもち、すずき、さば、大棗(ナツメの実)等の食材を用います。

 冷房などで身体が冷えている時は、体を冷やす野菜や果物や、体内水分を増やす白砂糖や塩(塩化ナトリウム)などの濃い味付けは極力避けなければなりません。特に冷え症の人は、野菜は煮て、果物は焼いて、砂糖は黒糖、塩は天然塩がお勧めです。

 緑が多く四季の豊かな日本の景観は、この梅雨の恵みがあればこそといわれています。だからこそ心身のケアーを怠りなく、普段の活をエンジョイしたいものです。

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