【051話】NHK総合ためしてガッテン(ウルトラしょうが)余話
もう何年経つのでしょうか。NHKの人気番組「ためしてガッテン」のディレクターA氏から、今回、ショウガについて番組を組みたいので色々お教えいただけないかとの電話がありました。昨今のショウガブームに違う方向から光を当てたいとのことです。小一時間ほどの電話の中で、「従来から漢方において、体を温める生薬として、附子、高麗人参、乾姜が主に使われている」とのお話をしたところ、特に乾姜に興味をもたれたようです。 その後、再度電話があり、乾姜(乾したショウガ)をメインに番組を構成したいとのことになりました。一度お会いしていくつかの情報をお渡しました。次第に構想が固まってこられたようです。効果の測定や乾姜造りの現場の取材に加え、自ら乾姜を作られたり、その研究熱心さには驚きました。
6月末に収録への協力依頼がありました。テレビ番組の撮影現場に初めて遭遇しました。自然光をすべてシャットアウトして、3機のライトに照らされ、カメラレンズが向けられ、収録マイクが目の前に突き出され、異様な雰囲気で撮影が始まりました。最初は、ショウガ料理のモニターを見ながら、京大准教授のI先生と日薬連ワシントン条約委員会のS先生と三人でダメ出しする場面です。
「さー、どうぞ」とのディレクターの声で、
「ショウガを生のままで使ってる。体を温めるのだったら乾したショウガの方がええのに。」
「皮を剥いて使ったら折角の成分がすくなくなる。」
「カット。余計なこと言わないでください。ダメとか、問題だとか、ダメだしの言葉だけにしてください。 もう一度お願いします。」
「もう少し、身を乗り出すようにしてください。」
「三人声を揃えてお願いします。」
何回か取り直して、やっとOKが出ました。
次は漢方薬局へ移動して、乾姜の調剤風景を撮りました。次に、百味ダンスの
「これがウルトラしょうがです。」
「ウルトラしょうが」とは聞きなれない言葉で戸惑いました。
「これは何?」「乾燥したショウガです。」
「それじゃ乾燥したショウガでいいじゃないですか。」
「それでは番組になりません。」
仰せの通りお話して、これも何回か取り直してOKが出ました。
最後に、「生のショウガと乾燥したショウガは別物です。体を温めることが目的ならば乾燥したショウガがより効果があります。」の収録で終わりました。
その間、道修町の薬局や神農さんを撮影したり、百味ダンスを開けて見ているところや、葛根等の刻み生薬を調合している場面なども撮りましたが、番組には採用されていませんでした。
8月25日午後8時から実際に放映された「ためしてガッテン」を見ますと、少し意に沿わないところもなくはないのですが、見せるという点ではよく練られていると感心しました。
特にジンゲロールとショウガオールの説明には脱帽です。
ショウガを電子レンジで乾燥する方法がベターとの話は私たちからの情報ですが、その後、視聴者から「電子レンジで乾燥したらショウガが燃えた」との苦情があり、電子レンジでの乾燥は注意してほしいとのコメントを流したそうです。色々ありますが、公共メヂィアは大変ですね。
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