【030話】バルセロナ点景/サグラダ・ファミリア他

 

              サグラダ・ファミリア聖堂    

今から30年ほど前にスペインを訪れたことがありました。イギリスのリバプール空港から首都マドリードに飛んだ際のドーバー海峡を挟んだ白亜の岸壁の連なりが印象深く眼に焼き付いています。更にピレネーの山塊を越すと、赤茶けた風景にオリーブの樹林が垣間見れて、よく言われた「ピレネーを越えるとヨーロッパの田舎」を彷彿とさせていました。

 マドリードでは、プラド美術館のゴヤの「裸のマハ」「着衣のマハ」を始めベラスケスの「ラス・メニーナス(女官たち)」やエル・グレコ、ラファエル等に堪能し、夕刻からは、足元に紙くずがいっぱいの人気バルで、ひと品の名物料理と自家製ワインをひっかけて梯子をし、9時になっても闇が訪れない白夜の街を散策し、やっと開いたレストランでスペインワインとパエリャに舌包を打ち、場末と言っても地元の人に人気のフラメンコに酔いしれ、気が付くとホテルへの帰還が明け方近くになっていたのを思い出しました。

 闘牛は、有名な牛が出るということで、大きな話題となっていて、これは見逃すことが出来ないと、最高の席ソンブラ(日陰)で観戦しました。ソル(日向)では、熱狂的ファンがつめかけています。闘牛のことは詳しくわかっていませんでしたが、観客の振る白いハンカチと歓声で、最高の闘牛だったのだと思ったのです。

 一日は、足を延して、今は世界遺産になっている古都「トレド」に出かけました。イスラム教、ユダヤ教、キリスト教が入り混じり、スペインの歴史を凝縮したともいえる街で、教会とモスクが混在した建築美や坂道と狭い道が入り組んで要塞としての歴史も垣間見れました。

 あれから30年、今回はバルセロナにやってきました。万博とオリンピックですっかり国際観光都市化したバルセロナを、急ぎ足で廻りました。街の中心にあり街歩きの起点となるカタルーニャ広場の近くに宿をとりました。広場から南に13キロ、コロンブスの塔までがプラタナスの並木が続くランプラス通りです。ここで面白い風景に出合ったのです。

偽ブランドのカバンや小物を売る


 

 路上に、如何にも偽ブランドのカバンや小物を売っている人たちがいます。写真で見る通り、広げた布の周りに紐がついていて、それらを束ねって手に持っています。
 しばらく見ていると、急に紐を手繰り寄せ、袋のようにして、それを肩に背負い、どこかへ退散しました。しばらくすると、また戻ってきて布を広げ品物を並べて、商売を始めたのです。警察が来ると店じまい、警察が去ると開店、を繰りかえしているらしく、これで商売になるのかと返って心配になったものです。

 ランプラス通りをすこし南下し、その左の小道に入るとゴシック地区のシンボル「カテドラル大聖堂」が目に飛び込んできました。
その手前には「ピカソの壁画」がありました。

「カテドラル大聖堂」と「ピカソの壁画」

そのそばには「ダリ美術館」が。入館すると人影もまばらで、当地ではあまり人気がないのでしょうか。写撮影もOKとのこと。

これがダリだ! という作品がひしめき合って展示してあります。

     


 其処から10分ほどで中世の貴族の館を改造した「ピカソ美術館」に到ります。ピカソの少年時代や初期の作品を中心に展示していました。

 バルセロナはアントニオ・ガウディのオンパレードです。ガウディは1926年73歳で交通事故で亡くなりましたが、お目当てのサグラダ・ファミリア聖堂は、ガウディが残した設計図をもとに、ガウディ没後100年の2026年完成を目指して今も工事が続けられています。

 中に入る入場券を買うのに、2時間以上の行列と聞いて、聖堂の周りを巡ることにしたが、人人ひとの群れで、息切れしそうなになり、早々の体で近くのレストランに逃げ込みました。パエリャとサングリアで腹ごしらえをしました。






 観光に便利なツーリストバスが市内を循環しています。乗り降り自由、日本語ガイドもあり、街の概略をつかむのには便利です。グエル公園の「ガウディの家博物館」で彼の活を見て、グラシア通りに並ぶガウディ建築に見入り、ゴンドラに乗って、丘の上のモンジュイック城から街を一望し、コロンブスの塔とポルト・ベイで潮の香りを嗅ぎ、現代建築のトラ・アグバル、フォーラムビルなどを見て廻ったのです。

ガウディの家博物館内の作品

モンジュイック城から街を一望

 駆け足で、表通りの観光でしたが、まあ、バルセロナを満喫したと思っています。そう、バルセロナでは闘牛は禁止され、人々の熱狂はサッカーへと変わってきていると聞きました。()

 

  


 

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