【096話】船場のことば リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ 12月 27, 2024 阪神淡路大震災で崩壊した北浜の「三越」跡に、日本で最も高いマンションが立てられました。当時の建設現場を廻る外壁に、船場言葉が書いてあって、そばを通る人たちの目を留めていました。 生粋の船場言葉は普段あまり聞かれませんが、蒔岡家の四人姉妹 鶴子、幸子、雪子、妙子の繰り広げる谷崎潤一郎の「細雪」の世界がよみがえります。 リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ コメント
【051話】NHK総合ためしてガッテン(ウルトラしょうが)余話 12月 11, 2024 もう何年経つのでしょうか。 NHKの人気番組「ためしてガッテン」のディレクターA氏から、今回、ショウガについて番組を組みたいので色々お教えいただけないかとの電話がありました。昨今のショウガブームに違う方向から光を当てたいとのことです。小一時間ほどの電話の中で、「従来から漢方において、体を温める生薬として、附子、高麗人参、乾姜が主に使われている」とのお話をしたところ、特に乾姜に興味をもたれたようです。 その後、再度電話があり、乾姜(乾したショウガ)をメインに番組を構成したいとのことになりました。一度お会いしていくつかの情報をお渡しました。次第に構想が固まってこられたようです。効果の測定や乾姜造りの現場の取材に加え、自ら乾姜を作られたり、その研究熱心さには驚きました。 6月末に収録への協力依頼がありました。テレビ番組の撮影現場に初めて遭遇しました。自然光をすべてシャットアウトして、3機のライトに照らされ、カメラレンズが向けられ、収録マイクが目の前に突き出され、異様な雰囲気で撮影が始まりました。最初は、ショウガ料理のモニターを見ながら、京大准教授のI先生と日薬連ワシントン条約委員会のS先生と三人でダメ出しする場面です。 「さー、どうぞ」とのディレクターの声で、 「ショウガを生のままで使ってる。体を温めるのだったら乾したショウガの方がええのに。」 「皮を剥いて使ったら折角の成分がすくなくなる。」 「カット。余計なこと言わないでください。ダメとか、問題だとか、ダ メだしの言葉だけにして ください。 もう一度お願いします。」 「もう少し、身を乗り出すようにしてください。」 「三人声を揃えてお願いします。」 何回か取り直して、やっとOKが出ました。 次は漢方薬局へ移動して、乾姜の調剤風景を撮りました。次に、百味ダンスの 前で一言話してほしいとの要望です。紙を渡され、この通り話してほしいとの ことです。 「これがウルトラしょうがです。」 「ウルトラしょうが」とは聞きなれない言葉で戸惑いました。 「これは何?」 「乾燥したショウガです。」 「それじゃ乾燥したショウガでいいじゃないですか。」 「それでは番組になりません。」 仰せの通りお話して、これも何回か取り直してOKが出ました。 最後に、「 生... 続きを読む
【055話】NHK総合「うまいッ!」(鳥取ショウガ) 12月 11, 2024 NHK総合「うまいッ!」に出演したのですが、それをを見たとのお便りが多くあったの には驚きました。なにせ、日曜日の朝早い番組とのこともあって、出演の ことはあまりお知らせしませんでしたので。 ただ、ご覧いただいたのは ご年配の方が多く、私もそうですが、齢を取ると寝るのにも体力がいり、 早起きしてしまうようです。 11月1日、初めての東京渋谷のNHKスタジオでの収録でした。午前中に打ち合 わせを行い、午後からリハーサルをして、本番へ、とのスケジュールです。 11月6日 ( 日)午前6時15分から34分の番組です。当日は34 分でノーカット、編集なしの収録とのこと、そんな秒単位の収録ができる のかと不安でしたが、1秒と狂わず終えたのにはびっくりでした。 内容は鳥取県気高町のショウガです。11月掘り起こしたショウガは大 きく広い洞くつの中に土をかぶせて保存されます。そのことで、辛味と香 りが凝縮されたおいしいショウガが、年中市場に供給することができている がおおよその趣意です。 私からは、ショウガは13度前後で保存するのがよく、冷蔵庫保存は寒 すぎてショウガには酷な環境であること、生のショウガは体表を温め発汗 を促し熱を下げ、乾燥ショウガは体の内部を温めるので、目的によって使い分けが必要とのことなどの話をしました。 出演は、竹内陶子アナウンサー、天野ひろゆきさん(キャイ~ン)、米原幸佑さん(俳優:食材ハンター)、比田美仁アナウンサー(鳥取局)と私です。皆さん、さすがにプロ、感情表現が見事です。天野さんのギャグに乗せられ、私も一言と思いましたが、ぐっとこらえて、淡々とお話ししたのが自分ながらおかしかったかもしれません。 続きを読む
【044話】ショウガ祭り 12月 09, 2024 「ウワッセ、ワッセ。」 町内を練り回った祭神輿が最後の大きなうねりを見せ、担ぎ手の掛声とともに鐘や太鼓のお囃子が秋の残照の中にかき消されようとする頃、祭りのクライマックが訪れようとしていました。 JR 東京駅から、中央線・青梅線・武蔵五日市線を乗り継いで1時間半、奥多摩に向かう車窓からふと目にとまった東秋留(ヒガシアキル)駅の、ここは秋川市二宮神社の境内です。 9月9日は二宮神社の例大祭で、地元の人々は「秋留ショウガ祭り」と呼んでいます。昼ごろから並び始めた露店がギッシリと軒を並べる頃には、名物のショウガ売りの声が聞こえきました。ショウガを扱う店は30軒ばかり。20本ほどを一束にして、そこには赤地に白文字で書いた「参拝記念厄除二宮生姜祭」の護符が掛かっています。 千葉、埼玉、群馬、神奈川などの近郊から持ち込まれたショウガは、一晩で4トン以上が買われていきます。3束4束と買い求める人、親せきにも配るのだと小脇に抱えて帰る人。むせかえるショウガのにおいの中で一年の無事息災を願う人々の顔が生き生きしています。 二宮神社の創建は定かではありませんが、承平天慶の乱(931-947年)の折、俵藤太(藤原)秀郷がこの神社に戦勝の祈願をしていますので、少なくとも千年以上前からあったことになります。藤太は平将門を討ち果たし、社殿、玉垣を造営したと伝えられていて、さらに建久年間(1191年)には、源頼朝が久社領千石を寄進したとの伝承もあります。 二宮神社の祭りがショウガ祭りと呼ばれるようになったのは江戸時代になってからで、健康を守る食材としてショウガを崇めたのが始まりです。 ショウガはインドから東南アジアが原産地です。「魏志倭人伝」に「薑」という字があることから、ショウガは三世紀にはすでに日本に伝来していたことになります。 ショウガは別名ハジカミとも呼ばれていますが、元来ハジカミとは山椒のことで、古名としてクレノハジカミとあるのは呉(中国)から渡ってきた山椒に似た味のものとの意味のようです。 現在、日本には多くの栽培品種があって、小ショウガ系と大ショウガ系に大別されます。関東地方では、芽ショウガ(葉ショウガ)として食用にする谷中(ヤナカ)、金時といった小型品種が主に栽培されていますが、一方、高知、熊本、... 続きを読む
コメント
コメントを投稿