【073話] 山帰来(サルトリイバラ)の由来  

     サルトリイバラ

 秋が深まってくると山野にサルトリイバラの赤い実が目にとまります。ユリ科の蔓性の植物で、生け花の花材に用いますし、関西方面ではかしわもちのかしわの代用として使われています。

 日本名のサルトリイバラ(猿捕り茨)は蔓にある棘が猿をも捕まえる事から名付けられました。

 漢名は山帰来と呼び、その由来には諸説が伝わっています。昔、重い病のため山に捨てられた老婆が、淋病(梅毒)に罹り山に追いやられた若者が、そして、山で病気になった者が、サルトリイバラの根で治癒し、元気に山から帰ってきたのが由来とされています。

 薬としての主な用途は、慢性皮膚疾患の排膿解毒或いは体質改善薬としての作用を期待しています。市販の便秘薬に山帰来が配合されているのは、便秘による肌荒れや吹き出物を押さえる効果をねらっています。

 このように利用価値の高い植物ですが、大きな壷一杯にけられたサルトリイバラの赤い実は秋の深みを感じさせてくれます。

 

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