【046話】カラスウリの名前の由来(王瓜根)
毎年、10月の末から11月の初旬にかけて、石川県加賀市大聖寺にある菩提寺にお参りすることが、年中行事のひとつとなっていて、今年も11月13日から14日の一泊どまりで出かけました。親戚の家もいくつかあることから、ご挨拶に行くことにしています。
自宅の冷蔵庫の上においてある籠に、黒ずんだ実をつけたサルトリイバラが活けてありますが、これは4年前に大聖寺から送ってもらったもので、そのことを思い出して、サルトリイバラの採集に出かけることになりました。
少し走ると、小さな藪がいくつもあって、ここかしこに真っ赤な実をつけたサルトリイバラが垣間見れました。そのいくつかを採集して、ふと見上げると朱色のカラスウリの実がぶら下がっているのが見えたので、それも採集したかったのですが、高くにあって手が届きません。
カラスウリの命名には少し疑問を持っていました。漢字では烏瓜と書きますが、この朱色の実はカラス色にはそぐいません。カラスはこの実を食べないので、カラスの食べ残しに見立てたとの説もあります。また、大きいものに「カラス」、小さいものに「スズメ」と名づけた植物はいくつかあることから、「ススメウリ」があるかと調べてみると、確かにそれは存在しました。それでもまだ納得できなかったのですが、しばらくして、やっと納得できる説に巡り合いました。
「カラスウリはカラシュウリからの転化で、漢字では唐朱瓜と書く。中国から伝わった朱墨の原料である辰砂は卵形ほどの大きさのものもあり、それに似ていることからの命名である。」
カラスウリの根は王瓜根(オオガコン)または土瓜根(ドカコン)、果実を土瓜実、種子は王瓜仁といい漢方生薬では共に、利尿、淨血薬として黄疸、下血に用い、また催乳の効果もあります。
一方、一回り大きい黄色の実をつけた「キカラスウリ」の根は瓜呂根(カロコン)とよび、王瓜根と同様に利尿、催乳の効果がある。その根からとったデンプンが天瓜粉(テンカフン)で、湿疹、その他の皮膚疾患に用いられています。
先祖の霊にこうべを垂れ、山中節が流れる温泉に浸かった後の一献は心洗われる思いです。
|
|
コメント
コメントを投稿