【038話】ベトナム/メコンと竜眼 

        オートバイの波

 スクランブル交差点を人々が渡るようにオートバイが行き交います。赤信号で停まっているオートバイの群れは、これからレースが始まろうとしているスタートラインの状況です。人口8600万人、東南アジアの新興国ベトナムのホーチミン市を訪れました。他国からの長い侵略の歴史があって、最後に悲惨なベトナム戦争を経験して、ベトナムは活気づいています。

 日本企業の進出も華々しく、今回はそれらの企業の三社を訪問しました。

 昔からベトナムに関する興味の一つはメコンの流れでした。メコンはチベット高原に源流を発し、中国雲南省を経て、ミャンマー・ラオス国境線、タイ・ラオス国境線からカンボジア・ベトナムを通り南シナ海に抜ける大河です。黄色く澱んだ水は肥沃な土砂による濁りです。メコンの下流はその土砂の堆積で肥沃なデルタ地帯を広げてきました。

 多くの物がその恩恵に浴しています。また、未だに新種の発見があり、昨年は一六三種の新種が見つかったとの報告があります。メコンの名前の由来は、「メ」は川、「コン」がワニとの意ですから、ワニの住む川と云うことになります。ですから、「メコン川」との呼び方にはすこし矛盾を感じます。

黄色く濁るメコン川


 今回、そんな思いが通じたのでしょうか、メコンを訪れる機会を得ることができました。ホーチミンから車で二時間ばかりかけて、メコンデルタの入口ミトーの船乗り場へと向かいました。最近建てられた瀟洒な建物が印象的です。ここから遊覧船に乗り換え、タイソン島に向かいます。

 海かと見間違える幅広いメコンを上ります。馬鹿でかいホテイアオイが浮かんでいます。

 椰子の実を割ってミルクをストローで吸いながらの船旅です。タイソン島内では、フルーツ園でのフルーツの試食や、ココナッツキャンディーの製造工程を見学したのち、小舟に乗ってジャングルクルーズを楽しむのがコースになっています。

                     リュウガン(竜眼)   ジャングルクルーズ

 タイソン島にあがって驚きました。見上げると、何本ものリュウガン(竜眼)の木に実がたわわになっています。リュウガンは東南アジアから中国南部が原産のムクロジ科の常緑樹です。日本では沖縄の八重山列島の一部にしか野性していません。

 勿論、実物を目にするのは今回が初めてでした。果肉は白く果汁が多いゼリー状で、真ん中に大きな種があります。竜眼の名はこの種または果実を竜の眼に例えたとの説がありますが、くりっとした目の形の果実に黒光りした色は種になぞらえた」と見ると納得がいきます。同じムクロジ科のライチ(茘枝)と比べますと、リュウガンの実は小さく種が大きいため可食部が少ないものです。

  リュウガンの果実は食用としても用いられますが、竜眼肉と称し、生薬として、鎮静、滋養強壮薬として、虚労、不眠、健忘等の症に用います。

 かつて、中国の知人が、物忘れの予防に竜眼肉を使っていると話してくれたことがありますが、このことをすっかり忘れていたのは竜眼肉を服用していなかったからかもしれません。()

 





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