【036話】鵲(かささぎ)との出会い   

 

カササギ

 もう何年前になるかわからないほどの昔、佐賀を列車で旅していたときに、車窓を横切った珍しい鳥をみたのが鵲(カササギ)との最初の出会いでした。

 カラスのようでいて、胸が白い見慣れぬ鳥でした。佐賀平野では「カチカチ」という鳴声から、カチガラスとも呼ばれ、県鳥(昭和40年)にも定められ親しまれています。

 カササギはイギリス、ヨーロッパ全域、ロシア、中央アジア、モンゴル、朝鮮半島、北アメカ西部など北半球に広く息していますが、日本では、佐賀平野を中心とした狭い地域に限定されています。

 イギリスに滞在したとき、何度もカササギを見る機会がありました。地元の人には、グアーグアーとうるさく、畑を荒らすので、あまり好かれていないようです。

 最近、韓国の済州島を旅行した時にもカササギに出会いました。地元のガイドの話では、カササギは恋を取り持つ鳥とのことです。

 帰って、カササギについて調べてみると、「大和物語」に「かささぎのわたせる橋の霜の上を夜に踏みわけことさらにこそ」の古歌があって、この「かささぎ橋」は御所の内裏にかけられていた橋で、唐詩にある烏鵲橋になぞらえたものでしょう。烏鵲橋は、七夕のおり、彦星と織姫が年に一度、天の川を挟んで相合するのを、カササギが翼をひろげて橋渡しをしたとの故事によるものです。

 カササギは山鳥で、天の川にはふさわしくないとの説もあり、笠鷺とも呼ばれるアオサギ(青鷺)のほうが水辺の鳥でピタリと合うとの説もあります。
 カササギは、カラス科の鳥で、ラテン名をピカ(pica)、英名はマグパイ(magpie)、朝鮮の古名にカサ、アシとあります。カササギの名の由来に、カラスサギがあり、黒いカラスと白いサギの合名が面白いですね。

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