【090-6/9話】甘草の故郷を訪ねて/シルクロードと甘粛省の甘草
甘粛省の甘草・麻黄を見る(9月26日)
酒泉薬材公司を訪問
朝10時に起床し、直ぐに「酒泉」の薬材公司を訪問しました。出荷寸前の甘粛省の甘草が等級別に梱包されています。それぞれの風袋から数本ずつを抜き出しては検品をしました。甘草の等級は太さで決まります。西北甘草は、甲、乙、丙、丁級、毛草、統庄に区分されます。毛草はストロン部分、統庄は選別しない生薬です。品質は乾燥度、堅さ、土砂等の付着が評価されます。此処は、ほぼ問題のない甘草でした。
別の場所で麻黄の調製を行っているとのことで、そこも見せて頂くことになりました。そこには、集められた麻黄がうずたかく積まれ、その中で、中華包丁の様な鉈で麻黄の根を切断しています。麻黄は覚醒剤のエフェドリンを含むため、WHOが、麻黄の取引に対して、中国に勧告を行っています。日本への輸出にも影響が出ています。
麻黄根は日本ではあまり使用されませんが、中国では止汗剤として使われています。麻黄が発汗剤としての薬剤ですが、部位が違うと薬の方向性が変わるのが興味深いと思います。
モンゴルの唄
朝昼兼用の食事を摂るためホテルに戻りますと、甘粛医薬集団酒泉医薬公司の方々が、昨夜の遅い到着で接待が出来なかった、とのことで、揃っての会食となりました。昼ではありましたが、白酒が振る舞われました。
経理部の于主任は蒙古の出身だそうで、杯を片手に、モンゴルの歓迎の唄を歌われました。大草原を風が通り抜けていくように、ゆったりとしたリズムにのって、少し哀調を漂わせた旋律が心に残りました。
漢民族、朝鮮民族、大和民族、そして蒙古民族。同じモンゴリアン系とはいえ、一つのテーブルを囲んで談笑できる喜びが一座の中に広がりました。それから、色々と人物評価が始まりました。Oさんは中央アジアの血が混じっているのではとの疑問符が出ましたが、Cさんは蒙古人と言うことだけは衆目の一致するところとなりました。
甘草を見る/意外な発見
昼食後、「金塔」に向かいました。そこで出会った野生の甘草は、今まで見てきた野生の甘草とは、葉の形態、莢の形が異なっています。形状からはG.inflataと思われます。
一般にG.inflataは新疆甘草の一部とされ、西北甘草にはないとされています。G.inflataは日局からはずれていますので、西北甘草といって安心はできせん。別の言い方をすると、日局品として新疆甘草が全て駄目なのではなく、新疆甘草の中のG.inflataを基原とするものが問題であるとの事です。
後日、「西安」の新華社書店で購入した「中国薬材産出資料」によりますと、G.inflataの生育地域は甘粛省、新疆ウイグル自治区、青海省とあり、日本において、甘粛省までを西北甘草としていることに注意する事が必要です。
今回の「酒泉」でのG.inflataの確認は大きな収穫でした。
続いて、栽培甘草を見ましたが、ここの栽培種も、今までの地域と同じくウラルカンゾウです。雨量が足りないのか、地下水脈が細いのか、生育が思わしくないとの事でした。
この地域は土壌が少し固いせいか、甘草の根が垂直に伸びず、横に這っているのが珍しく思いました。(続)
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