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【126話】身近な薬膳(春の養生薬膳)

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 新型インフルエンザがじわじわと身近に忍び寄ってきています。手洗い、うがいに、マスク着用など防御の手段は重要ですが、氣を充実させ、自然治癒力を発揮させるための体力を養っておくことも肝要です。  同じようにウイルス感染しても、症状の軽い人や回復の早い人はウイルスとの戦いに、心身の充実が図られている人です。  春は多くの 生 物が目覚め動き出す季節です。動物は冬眠から覚め、植物は新芽を伸ばし始めます。これは動植物だけでなく、人間にとって害をなす邪気も蠢きはじめます。目に見えないウイルスや細菌もしかりで、東洋医学では、これも含めて春は風の邪(風邪)に注意をしなければならない季節としています。  また、春は五臓のなかで、特に肝臓が活動する時期です。肝の働きがうまくいかないと、睡眠・精神・情緒が不安定になり、不眠・うつ状態・イライラ・怒りが現れます。陽気が上昇しやすい人(暑がり・のぼせ症)は肝が興奮しやすくなります。そして、肝の働きは脾の働きを助け消化を促進することから、肝の働きが強すぎると脾の働きも悪くなり、食欲不振・疲れ・無気力が起こります。  そのための養 生 として、朝は早く起きて庭をゆっくり散歩したり、体を締め付けているものがあればゆるめ、身体をのびやかにして、のんびり・ゆったり・リラックスして精神的にも抑鬱や怒りを控えることが大切です。  春の風邪は肝を痛めますので、食養生は肝の気を整え、脾を養うことに重点をおきます。  春に体の働きがうまくいかない時、精神の不安、怒りっぽい時には、菊花・薄荷・葛きり・はぶ茶などがお勧めです。  肝が興奮し、目の充血・のぼせがある時には、芹・白菜・マコモ・トマト・セロリ・きゅうり・豆腐・山梔子(くちなし)を食します。  臓腑の働きを気といいますが、気が弱っている時には気を補い、脾の働きを健やかにさせるために、米・栗・小麦・大麦・トウモロコシ・はと麦・大豆・長芋・南瓜・いんげん・椎茸・大棗(なつめ)を用います